
手のひらで水を掬(すく)ったその瞬間、世界と身体のあいだにカタチが生まれました。うつわは、何かを入れるための道具ではなく、世界と私たちの関係を映し取るための媒体だったのかもしれません 。
土は地球の身体であり、水は人の身体です。そのあいだに生まれる空(うつろ)は、物質と意識が交わるための領域です。やきものとは、地球の物質に火というエネルギーを与え、変化の記録を刻む行為です。
人がそれをうつわと呼ぶとき、そこにはすでに「記憶を保存する」という思考が宿っています。
古代の儀式具、交易のうつわ、世界初のグローバルプロダクトである磁器、ファインセラミック ─ カタチが変わっても、物質が自らを語るという構造は変わりません。いま、情報やデータもまた、地球の新たな“マテリアル”として刻まれはじめています。うつわの素性とは、世界が自らを容れ、あるいは世界を映し出すための仕組みのことなのかもしれません。
この展覧会は、人の手を通して地球が語る“マテリアルの記憶”をたどる試みであり、物質と記憶、技術と意識が交差する現在を問い直す展覧会です。
うつわの素性とは、地球の物質に宿る記憶であり、それをカタチにする人の意識の軌跡でもあります。
古代の土のうつわから現代のやきもの、そして現代、デジタルの記録媒体に欠かせないファインセラミックに至るまで、あらゆるうつわは、世界が自らを記録するための構造です。
情報は新しい地層をつくり、データは地球の言語となりつつあります。記録する者は、すでに記録されているのです。
私たちは、地球が自らを観測するために生み出した一時的なうつわにすぎないのかもしれません。しかし、その一瞬こそが、世界が世界を見つめ返す眼差しなのです。うつわとは、世界を容れ、同時に世界を映し出す構造体です。
その素性をたどることは、私たち自身が地球の思考の一部であることを、静かに思い出す行為でもあります。
あなたの手のひらに、いま水があるなら、その水面に映る光は、もうひとつの地球の記憶なのです。




会期
時間
休館日
観覧料
主催
協賛
CROSS TALK「素材と時間の考古学」
こども体験ツアー「うつわの時間をたどろう」

有料の展覧会ガイドは、展示で示される学芸的意図や作品の背景・文脈を来館者へ適切な深さで届ける“第二のレイヤー”として機能します。展示空間で得られた印象に専門的視点を重ねることで、鑑賞体験は多面的に開かれ、理解の質が自然に高まります。
また、学芸員解説、作家インタビュー、イベント記録映像など、制作過程で蓄積されながら来館者に届きにくかった知的資源を整理し、多言語で提供することで、より多様な来館者に開かれた学芸情報のアクセス環境を整えます。
さらに、こうした付加価値の高いガイドは、展覧会に新しい収益をもたらす仕組みとしても活用できます。単なる鑑賞補助ではなく、展示の意図と成果を継続的に伝え、文化資源を再循環させるデジタル基盤です。
有料の展覧会ガイドは、展示鑑賞を深めるだけでなく、グッズ販売や館内サービスと連動することで、鑑賞前後の体験を広げる仕組みとしても活用できます。
展覧会図録の魅力を伝えることで購入への導線をつくり、ショップのおすすめ商品や展覧会に関連したカフェメニューへの案内、限定クーポンの発行なども柔軟に組み込めます。鑑賞体験から館内回遊へ自然につながる導線を設計することで、来館者の満足度を高めるだけでなく、館の収益機会の拡張にも寄与します。